📌 「売買じゃないから許可はいらない」という大誤算
西三河地域の地主様から、このようなご相談をいただくことがあります。
「隣の農家さんに、自分の市街化調整区域の土地をタダであげる(贈与する)ことになった」 「地元の自治会や市に、道路や広場として使ってもらうために土地を寄付する」
「お金のやり取りが発生する『売買』じゃないんだから、お役所の面倒な許可なんて関係ないよね?」――そう思われるかもしれませんが、ここに実務上の大きな罠が潜んでいます。
結論から申し上げますと、たとえ「無償(タダ)」の贈与や寄付であっても、その土地で行う行為によっては、都市計画法に基づく「開発許可(第29条)」がバッチリ必要になります。
📌 都市計画法が守っているのは「お金」ではなく「土地の使われ方」
なぜタダなのに許可が必要なのでしょうか。それは、都市計画法(特に市街化調整区域の規制)という法律が、「お金の動き(取引)」を取り締まる法律ではなく、「土地の乱開発(使われ方)」を規制する法律だからです。
都市計画法第29条では、「開発行為(建築物の建築や特定の工作物の建設を目的とした、土地の区画形質の変更)をしようとする者は、知事等の許可を受けなければならない」と定められています。
ここには「売買の場合に限る」とは一言も書かれていません。 つまり、土地を手に入れるのが「売買」だろうが、「贈与(タダでもらう)」だろうが、「寄付」だろうが、そこで新しく建物を建てたり、地面を造成したりするのであれば、例外なく開発許可の対象になります。
📌 実務でよくある「お土産・寄付」のトラブル事例
特に調整区域や農地が絡む現場では、善意や好意で行った「無料の譲渡」が原因でトラブルになるケースが後を絶ちません。
- 事例①:隣人に資材置場としてタダで貸した・あげたつもりが… 「隣の業者さんに『資材置場に使わせて』と言われたから、タダで譲った」というケース。相手がトラックを止めるために地面を削ったり、プレハブ小屋(建築物)を建てたりした瞬間、それは立派な「開発行為」になります。許可なくこれを行うと、違反開発として元の地主様まで巻き込まれてペナルティを受けるリスクがあります。
- 事例②:市や自治会への寄付でも「開発許可」の確認が必要 「地域の役に立てば」と市や自治会に土地を寄付する場合でも、そこが市街化調整区域であれば、寄付を受けた側が「防災倉庫を建てる」「広場として整備する(造成する)」際に、やはり都市計画法のクリアが求められます。手続きの目処が立たない土地は、自治体であっても「寄付を受け取れない」と断られる原因になります。
📌 調整区域の土地を動かす時は「対価」に関わらずプロへ
「お金が動かないから大丈夫」という思い込みは、市街化調整区域においては非常に危険です。都市計画法は、対価の有無に関係なく、その土地が「どう変わるか」を常に監視しています。
誰かに土地をあげる時も、もらう時も、まずは「その土地の線引き(調整区域かどうか)」と「その後の用途」をセットで確認することが、後々の法的トラブルを防ぐ絶対の防壁になります。
「親族間で調整区域の土地を無償で譲り受けたい」 「善意で土地を寄付したいけれど、手続きで揉めたくない」
西三河エリアの農地転用・開発許可に強い三河中央行政書士事務所では、売買だけでなく、贈与や寄付といった「お金の動かない不動産の流通」に関しても、都市計画法や農地法の観点から確実なスキームをご提案いたします。トラブルのない安心な土地手続きを進めたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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