親が認知症になると相続の手続きが止まる?知っておきたい「意思能力」の壁と、家族ができる備え

認知症になると、なぜ「遺産分割協議」ができなくなるのか

「父は認知症だけれど、体は元気。兄弟で話し合って実家を売ることに決めたから、父のハンコをもらえば大丈夫だよね」 実は、ここには大きな落とし穴があります。

法律の世界では、本人が自分の行動の結果を正しく理解できる能力(意思能力)がない状態で行った契約や合意は、無効とされてしまいます。相続においても、相続人の一人が認知症で判断能力が不十分な場合、その方を含めた「遺産分割協議」を有効に進めることができなくなってしまうのです。

銀行の窓口や法務局で「ご本人の意思確認ができません」と言われて初めて、事の重大さに気づく。そんなケースが三河エリアでも増えています。

「成年後見制度」を使えば解決する?知っておきたいメリットと注意点

話し合いができない状態を解消するための公的な仕組みとして「成年後見制度」があります。家庭裁判所が選んだ後見人が、本人に代わって財産を管理し、遺産分割協議にも参加する制度です。

一見、これで解決するように見えますが、注意も必要です。

  • 手続きに時間がかかる: 申し立てから開始まで数ヶ月を要することがあります。
  • 専門家が選ばれることが多い: 親族ではなく、弁護士や司法書士などの専門家が後見人に選ばれると、毎月の報酬が発生し、本人が亡くなるまで続くことが一般的です。
  • 柔軟な相続が難しい: 後見人は「本人の財産を守ること」が第一の使命。家族の事情に合わせた柔軟な分け方(例えば、介護をした長男に多く残すなど)が認められない場合もあります。

判断能力がある「今」だからこそできる、2つの対策

「まだ大丈夫」と思っている今この瞬間が、実は対策を立てられる最後のチャンスかもしれません。

  • 遺言書の作成: 親御さんに判断能力があるうちに遺言書を書いてもらえば、亡くなった後に遺産分割協議をする必要がなくなります。これが最も強力な認知症対策です。
  • 家族信託の検討: 信頼できる家族に財産の管理を託しておく仕組みです。認知症になった後も、家族がスムーズに実家を売却したり修繕したりすることが可能になります。

どちらの方法が適しているかは、ご家族の状況や所有されている農地・不動産の数によって異なります。

三河の土地と家族の笑顔を守るために

刈谷、知立、豊明、豊田……。この地域で一生懸命働いて、大切な資産を築いてきた親御さんの想い。それを認知症という病気によって凍結させてしまうのは、あまりにも忍びないことです。

私自身、行政書士という新しい挑戦を始め、平たんではなかった合格への道のり。その過程で学んだのは、「早めの準備」と「あきらめない姿勢」がいかに大切かということです。認知症という高い壁を前にしても、今ならまだ、家族で乗り越えられる道が必ずあります。

地元の事情に詳しく、粘り強くお一人おひとりの声に耳を傾ける行政書士として、あなたのご家族にとって最適な「守り方」を一緒に考えます。

お茶を飲むようなリラックスした時間で、将来の不安を軽くしませんか

「親の物忘れがひどくなってきたけれど、まだ相談するのは早いかな……」 そんな迷いがある時こそ、一度お話しに来てください。事務所の静かな空間で、お茶を飲みながら、今の不安を言葉にしてみる。それだけで、次に何をすべきかが驚くほどクリアに見えてきます。

火葬場の前という、命の尊さを感じるこの場所で、ご家族の未来を真剣に考える。そのお手伝いをさせていただけることが、私の誇りです。

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